オーストラリアの大学や専門学校を卒業後・・・
近年オーストラリアで大学進学を考える方が増加しています。
その中で、卒業後の就職やビザについての不安をよく耳にします。
そこで当記事では、オーストラリアの卒業ビザについてご紹介します。
オーストラリアの卒業ビザとは
留学生がオーストラリアの大学卒業後に
オーストラリアで仕事をする・職務経験を積むチャンスを増やす為に設けられたビザです。
ワーキングホリデーだと就労時間の制限はないですが、6ヶ月間で職場をかえないといけないですし
学生ビザは基本的に、就学をメインするビザなので就労時間の制限があります。
その為オーストラリアで就職・キャリアアップを考えている方に、特に注目していただきたいビザです。
誰が卒業ビザの対象者なのか?
Graduate Visa(卒業ビザ)・サブクラス485
オーストラリアのCRICOS認定制度をもとに認定されたコースを終了された方が対象です。
- 大学院(マスター)
- 大学学部(バチェラー)
- 一部専門学(ディプロマ)
卒業ビザの申請詳細について
ビザの費用は、AU1650ドルとなっています。
健康診断や犯罪歴証明書などの費用も別で必要となります。
オンラインでの申請が可能となっており、ImmiAccountで管理します。
書類のアップロードなどもこのシステムを使います。
卒業生ビザのメリット
- 永住権の可能性が広がる
- 海外での職務経歴を作る事ができる
- オーストラリアに長期的な滞在が可能になる
SOL技術職業リスト
オーストラリアには、Skill Occupation List(スキル オキュペーション リスト)
と呼ばれる技術職業リストが存在し、
オーストラリア政府によって技術職業リストに載せられる職種が決まっています。
以前から労働者の偏りや不足の問題をかかえるオーストラリア政府は
このシステムを使い国の不足職を補うようにしています。
SOL技術職業リストは長期滞在者にとってキーワード
SOLリストは、オーストラリア移民局サイトに記載されています。
仮に「卒業ビザ」でお話しすると、
「485」と書かれた職業であれば卒業ビザ申請が可能職種という事なので
今後卒業ビザを検討されている方は、リスト一覧の関連コースを勉強する必要性があります。
このSOL技術職業リストには、次の3つのタイプのビザリストが含まれています。
職業によってどのタイプになるのか異なります。
- Medium and Long-term Strategic Skills List (MLTSSL)
- Short-term Skilled Occupation List (STSOL)
- Regional Occupation List (ROL) / Regional Sponsored Migration Scheme (RSMS)
※各ビザに申請条件があるので必ずしも全て申請できるという事ではございません。
卒業生ビザ・サブクラス485
Graduate Work Stream・グラジュエイト ワーク ストリーム
オーストラリア国内でDiploma(ディプロマ)など学位を取得した場合に、
卒業ビザを申請する場合は、Graduate Work Streamと呼ばれるストリームタイプとなります。
このストリームに申請する場合、Medium and Long-term Strategic Skills List
と呼ばれるリストに入っている職業でなければなりません。
Graduate Work Streamの注意事項
- このリストの内容は需要と供給に合わせて変化する為、
何度もリストから外れたり入ったりする人気のある職業は要注意です。
- この場合申請を行う前に自身でスキルアセスメントの申込みなどをする必要があるので
卒業するだけで、卒業ビザが取得できる訳ではありません。
卒業ビザの期間は?
Graduate Work streamの卒業ビザは発行された日から18ヶ月間です。
Post Study Work Stream・ポスト スタディー ワーク ストリーム
オーストラリアの大学や大学院でBachelor(バチェラー)以上を就学し
卒業後に申請をする事が可能なストリームタイプです。
このストリームタイプは、Graduate Work streamとは異なり、
卒業ビザを申請する際に職業の制限がなくどの学部を卒業しても申請する事が可能です。
学位によって卒業ビザの期間は異なる?!
- Bachelor(バチェラー)の場合は、2年間
- Master(マスター)の場合は、2~3年間
- PHD(ドクター)の場合は、4年間
卒業ビザ延長の可能性も?!
オーストラリアのCities and Major Regional Centresと定められている地域
簡単にいうと、規定内の田舎の大学で勉強するとメリットがあります。
卒業ビザ取得後に拠点をBrisbane・Melbourne・Sydneyに移す事で
さらに1年間ビザを延長する事ができ、最大3年間滞在する権利があります。
Cities and Major Regional Centresとは
- Gold Coast
- Sunshine Coast
- New Castle
- Lake Macquarie
- Wollongong
- Illawarra
- Geelong
- Perth
- Adelaide
- Hobart
- Canberra
上記以上の田舎都市で勉強される場合は、
さらに2年間ビザを延長する事ができ最大4年間滞在できるケースもあります。
コロナ禍においての処置
以前は、485卒業ビザの申請をするには
オーストラリア国内(オンショア)のみからとなっていました。
ただし国境閉鎖によって
オーストラリアに戻る事ができなくなった数千人の留学生がいる事を問題視した結果
ビザの条件の改善が行われ、オーストラリア国外(オフショア)からの申請も可能となりました。
卒業ビザ申請においての注意点
- 卒業ビザ申請時に、18歳以上49歳以下である事
- CRICOSに登録されら学校・コースを終了している事
CRICOS=Commonwealth Register of Institutions and Courses for Overseas Students
- 2年間以上のコースを修了している事
2年間以上のコースとは、CRICOSに92週間のコースと登録されているコースの意味を指し
コースを修了するまでにかかった就学期間ではないのでご注意ください。
- 卒業してから6ヶ月間以内に申請を行う事
- 卒業生ビザの滞在期間をカバーする健康保険に加入している事
保険の支払いを申請までに完了する必要があります。
- 卒業ビザを申請をするのには英語能力の証明が必須
例えばIELTS公式テストの場合だと、Over all 6(全てのセクション5以上)が必要です。
テスト結果は3年間以内の、もののみ対象となっています。
- オーストラリア国内・(日本)の無犯罪証明書の提出が必要
- 健康診断を追加書類として求められる場合がございます。
卒業生ビザ=就職保証ではない
卒業ビザは、就職を保証するビザではありません。
ビジネスビザが過去に比べてハードルがかなり厳しくなった為、
オーストラリア政府は、留学生の卒業生に向けて
就学をしたスキルや技術を取得した事を
是非職場でいかしてほしいという背景がありますので
将来オーストラリアで滞在を考えられている方などは、
卒業ビザをうまく利用して目指されると良いでしょう。