TOEFL(トイフル)は、Test of English as a Foreign Languageの略称で、日本では国際教育交換協議会(CIEE)日本代表部が運営し、英語を母国語としない人を対象にした英語能力を測定・評価する試験です。1964年にアメリカの非営利教育団体、Educational Testing Service (ETS) により開発されました。
日本でTOEFLは、英語圏の教育機関を受験する人々の間では知られていますが、一般的には名前は知られているものの、試験内容に対しては認知度が低い英語検定試験です。しかし、世界では今までに3,000万人以上が受験しているポピュラーな英語検定のひとつとなります。TOEFLのスコアは、世界130ヵ国を超える10,000以上の教育機関で使用され、また、就労ビザや英語学習の習得状況などに使われます。特にアメリカで利用されています。
TOEFLには、「TOEFL iBT (internet-based Test)」をはじめ、「改定版TOEFLペーパー版テスト」、「TOEFL ITP (institutional Test Program)」、「TOEFL Juniorテスト」、「TOEFL Primaryテスト」と、様々なテストが用意されています。
日本を含め、世界のTOEFL受験者の98%が受けるのが「TOEFL iBT」です。テスト内容などは、別パートで詳しく説明します。
日本では2017年10月以降から、インターネットがつながらない地域に限り、TOEFLi BTの代わりに用意された試験です。ペーパーテストのため、発話テストはありません。「リスニング」、「リーディング」、「ライティング」の3つの英語能力を測ります。
団体向けテストプログラムとなり、スコアは交換留学やクラス分け、学習の効果測定などに使用されます。注意点としては、留学や就労ビザなど正式なスコアとしては認められていないため、使用できません。日本での学校や企業で全国500以上の団体、約22万以上の方が受験しています。
中高生を対象としたテストプログラムとなり、「読む」「書く」の英語能力を測る試験です。スコアはA1~B2の4段階で表されます。ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)やリーディングに関しては、Lexile(英語読書力)とも連動しているので、将来海外の大学に進学したいと考えている人にとっても、基礎作りに役立つでしょう。
小中学生を対象としたテストプログラムとなり、TOEFLのファーストステップ試験です。スコアはA1未満~B1の4段階で表されます。ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)やリーディングに関しては、Lexile(英語読書力)とも連動しているので、英語能力の伸びを測定することが可能です。
IELTSとは、IELTSはInternational English Language Testing Systemの略称で、1989年から始まった、国際的な英語能力試験です。仕事や生活で英語を使用する人や、高等学校や大学等で英語で行われる授業についていけるかどうかを測定するために開発されました。
現在はイギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、アイルランド、アメリカ、などの大学進学する、また海外移住申請をする際に自身の英語力を証明するために使用されています。平成28年度では日本では約3.7万人、全世界で290万人が受験している海外ではメジャーな試験です。(知っておきたいIELTSの知識)
TOEFLとIELTSは留学向けの人とされているため、一見同じように見えるのですが比較してみると違います。TOEFLのスピーキング試験はヘッドセットとマイクを使うのに対し、IELTSでは対面での試験となるため、一人ひとりの質問内容が変わります。対人間のため、フレキシブルな対応が求められ準備が必要です。
また、日本ではTOEFLを使用して大学入試やAO入試、編入学が活用されているのに対し、まだIELTSのスコアを使用しての大学入試が少ないのが現状です。大学進学を検討したときに、国内の大学か海外の大学か迷っている人はTOEFLを選択するほうが良いでしょう。都心部の大型書店では、IELTSの学習本が置いてある場合がありますが、圧倒的に多く出版されているのは、TOEFLの参考書です。日本国内で勉強しやすいのはTOEFLと言えます。
特にありません。
TOEFLには年齢制限や学歴制限などありませんので、子どもからお年寄りまで受験することができます。
日本で受験する場合、国際教育交換協議会(CIEE)の公式ホームページより、今後予定されているテストセンターを検索することができます。(HP:国際教育交換協議会CIEE)
オーストラリアで受講する場合は?
オーストラリアでは、IELTSやケンブリッジ検定の方がメジャーのため、実施されている会場が少ないのが現状です。
EST公式ホームページより検索できます。(HP:Educational Testing Service (ETS))
日本では公式ホームページで日程を確認ができますが、空席はマイページから確認する必要があります。そのためのマイページ登録(HP:My Home Page)が必要です。
申し込みには、公式サイトから個人アカウントのマイページ(My Home Page)を作る必要があります。会場の確認やTOEFLのスケジュール、受験申し込み、スコア確認、スコアレポートの送付先の登録が可能です。オーストラリアも同様で、これは、世界共通になります。
日本での申し込みは、公式ページの「マイページ」からと電話、郵送から可能です。
予約センター情報
郵送でかかる費用は?
詳細は、リスニング試験が60分、リーディング試験が60分間、スピーキング試験20分、ライティング試験が50分のトータル約3時間です。休憩は10分あります。
開始時刻の30分前までに集合が必要です。原則的に遅刻した場合は受験できません。
通常テスト日から10日後に、マイページ上でスコアを確認できるお知らせが登録しているメールに届きます。スコアレポートのPDFをプリントアウトすることも可能です(ただし、中国での受験は対象外)。
公式のスコアレポートは、テスト日から13日後に登録している住所に送付されます。
期間内であれば、他の機関に送付することも可能です。
テスト結果は合格、不合格ではなく、各スコア0点から30点の合計120点満点で表されます。リーディングとリスニングはコンピューターで採点し、スピーキングはETSが認めている採点担当者によって採点され、スコア変換する採点方法です。最後にライティングに関しては、自動採点システムと採点担当者が採点を行い、スコア変換しています。
制限時間は60分です。
録音を聞きながら、問題を解きます。
テスト数 | 内容 |
会話:2題 5問
講義:4題 6問 |
学校の授業を想定した内容になります。
一つ目は、大学内のキャンパスでの会話になり、生徒同士や教授と生徒のような英会話。2つ目は、講義の様子で、授業でディスカッションや授業中に生徒が質問する様子などが流れます。 それらを聞き、質問に答える問題です。 |
制限時間は60分です。文章を読み、問いに答えます。
テスト数 | 内容 |
3題 各12問程度 | アカデミックな文章800Ward程度よみ、質問に答えます。 |
制限時間は20分です。質問を聞いて、ヘッドセットのマイクに答えを吹き込みます。
テスト数 | 内容 |
全6問 | Independent TaskとIntegrated Taskのふたつのパターンに分けられます。
Independent Taskは、自身の経験に基づいた回答をする質問と、2つの選択から1つを選び、その理由を回答する質問がでます。 一方、Integrated Taskでは、「リーディング+リスニング+スピーキング」と、「リーディング+スピーキング」の2種類あり、「リーディング+リスニング+スピーキング」は、始めに新聞記事や掲示板に貼ってあるお知らせを読んだあと、その内容に関する学生の会話を聞いて、最後にまとめる問題です。 一方の、「リーディング+スピーキング」では、文章をまず読み、それに関係する講義を聞いて、まとめる問題です。 |
制限時間は50分です。文章や録音を聞き、自分の意見や要約した文章を作ります。
テスト数 | 内容 |
2問 | Independent TaskとIntegrated Taskのふたつのパターンに分けられます。
Independent Taskでは、出されるお題について、賛成か反対か選び、その理由を解答します。 一方のIntegrated Taskは、まずはアカデミックな文章を読みます。その後、文章に関する賛成、反対意見、あるいは文章を補足する会話をヒアリングして内容をまとめます。 |
TOEFLのスコアレベルは下記の表をご覧ください。スコアによって社会的評価は変わります。また、
他の英語検定とも比較してみましょう。
TOEFL | IELTS | PTE | レベル |
60~78点 | 6 | 50~57 | 海外留学最低ライン |
79~93点 | 6.5 | 58~64 | 有名大学 |
94~101点 | 7 | 65~72 | |
102~109点 | 7.5 | 73~78 | ハーバード大学やスタンフォード大学などの名門大学への留学 |
110~114点 | 8 | 79~82 | |
115~117点 | 8.5 | 83~86 | |
118~120点 | 9 | 87~90 |
いざ始めたいと思っても、何から手をつけたらいいかわからない、そんな人も多いはず。そんな人のために、勉強のヒントを紹介!
まずは試験内容の概要を把握しましょう。問題数や試験の構成を確認するのに有効なのは、やはり過去に出題された問題です。日本では、主催者が発行するものをはじめ、TOEFLに関する書籍、単語帳、問題集が多く発売されています。それらをまずは購入し、テスト内容の構成や試験問題を確認しましょう。
書店やネットでは、学習書が多く販売されています。リスニングやリーディングなどカテゴリーごとに教化できる学習書もありますので、一つ一つ弱い部分を強化することができます。平日は部分強化、そして週末は模擬テストなど強弱をつけることで、バランスよく強化することができるでしょう。また、効果的なメモの取り方など、試験を受ける際のテクニックを教えてくれる学習書もありますので、学習書を比較して自分に合う一冊を見つけるのがベストです。
TOEFL はすべてコンピューターの受験となるため、制限時間内にいかに問題を解けるかも重要となってきます。そのため、実際に過去問題を解き、傾向を習得することが大事です。はじめはわからなくとも、問題の解答説明を多く読むことで、傾向が掴めてきます。ポイントは解き方の理解をすることです。この時点では、時間を気にすることはありません。試験の内容と出題傾向を正確に把握しましょう。
TOEFL の学習書には模擬試験がついているものも多く発売されています。模擬試験を実際にトライしてみましょう。ポイントは、できるだけ試験当日と同じ環境にすることです。開始時間や使用する筆記用具など合わせることで、試験時間を有効に使う方法を身に着けられます。イメージトレーニングをすることが大事です。何回も模擬試験を解き、どのパートに何分かかるのか、回答するタイミングまで把握できれば、自分自身の強化するべきところが見えてきます。
また、リスニングの勉強には、倍速機能が付いた機器を使うと効率よく勉強することができます。
TOEFLのスコアアップのためのコースを設けている英語学校はたくさんあります。最後の追い込みとして学校に通うというのも一つの手です。オーストラリアにも学校があり、選択することができます。