最近のビザ制度の変更により、オーストラリア国内でのビザ延長を検討されている留学生は不安に思っている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、最新のビザ延長の状況と、現地での滞在を続けるための対策方法について詳しく解説します。
オーストラリアでビザの延長をご検討中の方の参考になれば幸いです。
まず最初にお伝えしたいのは、適切な準備なしでは今までよりも難しいという点です。
オーストラリアに学生ビザやワーキングホリデービザで渡航し、一定期間勉強した後にもっと英語力を伸ばしたい、スキルや資格を身に付けたいと思う方は多くいらっしゃいます。
ただ、日本人が比較的ビザが下りやすい状況は以前と変わらず、特に語学学校の英語コースに進まれる方は以前と同様にスムーズに学生ビザが下りている状態です。
また、専門コースもオーストラリアで人手が不足している分野や、ご自身のキャリア形成に必要不可欠な分野などでは、学生ビザが承認されています。
では、なぜ現地でビザを延長するのが難しくなったと言われているのでしょうか?
それは、コロナ後にオーストラリアに留学生が多数入国したことで、オーストラリア政府が「本当に勉強を目的とした学生にのみ学生ビザを与える方針をより強化しよう」という動きになったからです。
逆にいうと、ただ単に滞在を伸ばしたいだけで格安の学校に通う人にとっては学生ビザの取得が難しい傾向にあります。
2024年に行われたビザ変更点にオーストラリア政府の意図がはっきりと見て取れますので、しっかりと理解しましょう。
修学機関 | ルール変更前 | ルール変更後 |
---|---|---|
英語コース | 英語能力の要件なし | 英語力の要件なし |
TAFE(州立専門学校) | IELTSスコア:5.5 | IELTSスコア:6.0 |
プライベートカレッジ(私立専門学校) | IELTSスコア:5.5 | IELTSスコア:6.0 |
卒業ビザ | IELTSスコア:6.0 | IELTSスコア:6.5 |
オーストラリア政府は、留学生には十分な英語力を身につけた上での専門分野を勉強してもらい、より良い技術者労働者を確保したい意図があります。
そのため、現時点で英語力が入学条件に満たない方は、語学学校に通い英語力を上げてから専門コースを目指しましょう。
学生ビザ申請時に提出するエッセイがGenuine Temporary Entrant (GTE) からGenuine Student (GS) へと変更になりました。
GSの書類では、これまでのGTE書類より更に多くの情報を記載する必要があります。
オーストラリアで学習を行う目的・どういったスキルや知識を身につけるのかなど、オーストラリアに「学生」として滞在する意志を示す事が必要です。
申請者は、申請書に記載された回答とともに、裏付けとなる書類を ImmiAccount に添付する必要があります。
証拠に裏付けられていない一般的な記述は、GS 評価では重視されないため、申請者の主張を裏付ける証拠を提示することが重要です。
オーストラリア政府がそれぞれの教育機関・学校に対して、留学生の受け入れを一時的に禁じ・留学生を受け入れを停止をさせる「停止証明書」制度が導入されました。
これは、オーストラリア国内の教育の品質を保証する事を目的としており、政府は各教育機関での学生ビザの申請拒否数・違反など、全ての記録を管理します。
そして、記録元に問題がある教育機関には、罰則として「停止証明」が発給され、6ヶ月間にわたって留学者の受け入れを停止する事を命じることが可能です。
今後オーストラリアで就学をご検討される際は、「格安語学/専門学校」と呼ばれる品質が伴わない教育機関は避け、教育の品質の高い教育機関での学習を選択するほうが良いでしょう。
「ビザホッピング」とは、現地での滞在をできる限り延長する為に学生ビザを利用し、多種・多様なコース・学位や資格レベルの低く・低コストのコースを繋げながら長期期間にわたって、学校に通う滞在方法を指します。
現在お持ちのビザ | 学生ビザへの変更 |
---|---|
観光ビザ | ✕ |
ワーキングホリデービザ | ○ |
学生ビザ | ○ |
卒業ビザ | ✕ |
さらに、オーストラリアでビザを何回も取得した経験がある方は、ビザホッピングと捉えられないような学校選びやGSが必要となります。
卒業ビザは年齢制限が50歳から35歳へと引き下げとなりました。大学院でリサーチされている学生はは50歳のままで変更はありません。
そのため、社会人留学や30歳前後で留学を開始される方のなかには、専門学校や大学を卒業しても卒業ビザの取得ができない可能性があります。
年齢が35歳上の方は、卒業ビザの申請ができないだけでなく、学生ビザが降りるまでの時間も長くなっていますのでより一層の準備が必要です。
2024年7月から学生ビザの申請料が710ドルから1600ドルへと変更になりました。
より経済的に安定していて学費や生活費などの支払い能力がある留学生にオーストラリアで勉強をしてほしい、という政府の意図があります。
学生ビザの申請する場合は、学費や学生ビザ代、学生健康保険代などの初期費用は必要ですので、しっかりと貯蓄をしましょう。
ビザの変更に伴い、オーストラリアでの学生ビザ申請に注意が必要な方は以下になります。
上記に当てはまる方は特に、事前の準備をしっかりと行い学校やコース選択、GSの内容など留学エージェントに相談することをおすすめします。
今までもお話しした通り、学生ビザでオーストラリア滞在を延長される方は、事前準備をしっかりと行う必要があります。
ご自身の今までのビザ経歴を確認し、学校やコース選択、費用の捻出、学生ビザに必要な情報と書類を集めるなど準備は多岐にわたります。
ビザ延長を考え始めた時から貯蓄はしっかり行い、現在のビザの有効期限が切れる6ヶ月前くらいから、情報収集を始めましょう。
SNSには経験談や情報が溢れていますが、ビザ内容は随時変更がありますので、移民局のホームページや移民弁護士に確認することも大切です。
学校選びの際に、非常に安くて教育の質も低い学校はおすすめできません。
そこで、専門学校への進学をお考えの方におすすめの学校は、オーストラリアの各州が運営している職業訓練専門学校のTAFEです。
TAFE(Technical and Further Education)はオーストラリアに100校以上あり、留学生向けの様々な専門コースや英語コースを提供しています。
学生の90%以上は現地のオーストラリア人で、留学生に人気の調理師、保育士、介護士、IT、園芸、自動車整備士などTAFEで学べる内容は多種多様です。
TAFEについては以下の記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。
卒業ビザの年齢が引き下げになったため、専門学校や大学へ行きスキルや資格を取得してから卒業ビザで職歴を積もうとお考えの方は、早めに学校に入学する必要があります。
特に現在30歳前後の方は、専門学校や大学で2-3年後に卒業する際の見通しを立てて、計画的に行動しましょう。
ご自身でSNSなどから情報を得て学校にお申し込みすることも可能ですが、学校の質、GSの内容、最新のビザ情報をご自身でしっかりと確認する必要があります。
すでにオーストラリアに滞在されている方は、お仕事や勉強で忙しい方が多いため、留学エージェントを利用することで時間の節約になります。
オーストラリア留学ネットではオーストラリア政府認定カウンセラーが無料であなたに合った留学プランをご紹介いたします。
ビザ延長を検討されている方は、お気軽にご相談ください。
2024年ビザ変更後の現状や対策についてご説明しました。
日本人は現在もビザが降りやすい状況ではありますが、今回のビザルールの変更に合った準備が必要不可欠です。
オーストラリアで学生ビザでの滞在延長をお考えの方は、
オーストラリア滞在の目的をしっかりと考え、将来のキャリア形成へとつながるような留学にするために早めに準備を行いましょう。