TOEIC(日本)は、一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会が運営し、英語を母国語としない人を対象にした英語能力を測定・評価する試験です。国際的なコミュニケーションの場で必要とする英語スキルを測るために実施されています。
日本では年間271万人(2016年度)もの人がTOEICを受験し、海外では160ヵ国で実施されています。現在TOEICは日本でもっとも有名な英語検定と言えるでしょう。
日本でTOEICのスコアが使用されるのは、企業/ビジネス環境がメインです。例えば、外資系や世界で活躍する大手企業などでの、採用試験や昇進・昇級試験、海外駐在・出張時に活用されています。
日本で一般的に受験されている「TOEIC」は、「 TOEIC Listening & Reading Test 」のことになりますので、今回は「TOEIC Listening & Reading Test」について詳しく紹介していきます。
他にも「TOEIC Speaking & Writing Tests」や「TOEIC Speaking Test」、「TOEIC Writing Test」「TOEIC Bridge Test」など複数種類があります。また、高校や大学等の教育機関や企業の社員研修やレベルを調査するために、団体主導でTOEICを受けさせる「TOEIC IPテスト」というのもあります。
TOEFLとは、「Test Of English as a Foreign Language」の略称で、英語を母国語としない人達を対象にしています。TOEFLのスコアは英語を母国語とするエリアへ留学する際の入学条件としてスコアを求められます。
TOEFLには「TOEFL iBT (internet-based Test)」をはじめ、「改定版TOEFLペーパー版テスト」「TOEFL ITP (institutional Test Program)」「TOEFL Juniorテスト」「TOEFL Primaryテスト」と、様々なテストを受けることが可能です。また、3,000万人以上が受験しているポピュラーな英語検定のひとつでTOEFLのスコアは、世界130ヵ国を超える10,000以上の教育機関で使用され、また、就労ビザや英語学習の習得状況などに使われています。
*追記2018年10月:TOEFLのテスト不正が発覚したことにより、教育機関ではTOEFLではなくIELTSを利用する学校が増えてきています。(オーストラリアでは専門学校、大学、永住権申請等の手続き時にIELTSアカデミックのスコアが必要になります)
一方のIELTSとは、IELTSはInternational English Language Testing Systemの略称で、1989年から始まった、国際的な英語能力試験です。仕事や生活で英語を使用する人や、高等学校や大学等で英語で行われる授業についていけるかどうかを測定するために開発されました。
現在はイギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、アイルランド、アメリカ、などの大学進学する、また海外移住申請をする際に自身の英語力を証明するために使用されています。平成28年度では日本では約3.7万人、全世界で290万人が受験している海外ではメジャーな試験です。オーストラリア留学「IELTS検定試験コース」について詳しく見る >>
TOEICは日本や韓国がメインで取り扱いをしており、国際的なコミュニケーション能力を図るための検定試験と定義されており、一般的な英語能力を図る為の検定試験です。(日本国外では通用しないスコアです)
一方、TOEFLやIELTSはイギリスやアメリカ、オーストラリアなどの英語が母国語の国での各種資格や教育機関への入学、ビザ申請(永住権)などの際に必要な英語力を証明できる試験になります。(世界の教育機関で証明できるスコアです)
オーストラリアの語学学校でTOEICコースもしくは選択科目でTOEICを学ぶことが出来る語学学校をリストアップしてました。オーストラリア留学中に英語を学びながらTOEICのスコアも伸ばし、日本帰国後の就職活動に活かす事が出来ます。
Langports English Language School(ラングポーツ)では、TOEIC Plusという短期集中5週間のTOEICコースが開講されています。Grammar / Vocabulary / Collocation / Reading / Listeningなど英語の基礎を重点的に磨き、またTOEICのスコア向上の方法について学びます。
ブラジル・コロンビア・日本・フランス・韓国・台湾など、様々な国籍の生徒がTOEICPlusのクラスを受講しており、多国籍な環境でTOEIC勉強に集中することが出来ます。
Shafston International Collegeでは、TOEIC試験対策コースという6週間の集中コースが開講されています。基礎的な英語文法からリーディング、リスニング、語彙、イディオムなど幅広い知識を学びながらTOEIC点数を伸ばす為の集中コースになります。シャフストンの校舎がビルの一室ではないので、キャンパスでの外生生活とロケーションがいい学生寮での生活が魅力的なポイントになります。
ILSCブリスベン校は英語スキルクラス(選択科目)としてTOEIC(Listening & Reading)を受講することができます。11:45〜13:00・14:00〜16:00の英語スキルクラスとしてTOEICを受講することが可能です。
(注)メルボルン・シドニー校ではTOEIC選択科目が御座いませんのでご注意下さい。
日本では受験会場を選ぶことができません。申し込み後に運営側が申込住所から判断し、指定された高校や大学等の教育機関での受験となります。
開催エリアの検索は、運営サイトから確認することが可能です。(一般社団法人 国際ビジネス・コミュニケーション協会)
オーストラリアでのTOEIC受験に関してはTOEIC公式サイトより申し込みが可能です。(TOEIC Australia & New Zealand)
オーストラリア留学後の英語力向上した直後にTOEICをオーストラリアで受験し、日本帰国後の就職活動やその他キャリア似」活かすことが出来る点ではメリットになるでしょう。
受験申込みから証明書が発行されるまでの期間が短いこともあり日本帰国前にオーストラリアで受講されるのはお薦めです。
日本では毎月1回実施され(2月と8月は除く)、年10回受けることが可能です。ただし、地域ごとで開催日が若干違うため、希望の受験日が決まっている場合は、地域を確認したほうが良いでしょう。
オーストラリアでは、年間を通して実施しており、日本よりも受験回数が多いのが特徴です。
日本で受験する場合、TOEICのホームページ又は、特定のコンビニエンスストアに置いてある端末機から申し込みができます。
まず公式サイトから会員登録をします(一般社団法人 国際ビジネス・コミュニケーション協会)
会員登録の手順
TOEICの申し込みができるコンビニストアは、「セブン-イレブン」「ファミリーマート」「ローソン」「ミニストップ」などです。店内に設置されている情報端末で申し込みができます。詳しくは右記HPを御覧ください(HP:国際ビジネス・コミュニケーション:コンビニ端末申込について)
受験料は5,725円 (税込)です。インターネットでの申し込みであれば、割引があり、一年後の受験料は5,092円となります。
受験時間は2時間です。トイレ休憩はなく、リスニング試験が約45分、リーディング試験が約75分間です。2時間かけて、リスニング100問、リーディング100問、計200問を解きます。
日本では、受験した一ヵ月後にOfficial Score Certificate(公式認定証)が発行されます。また、HPから申し込みをした人で、テストスコアをインターネットでも表示するを選択した人は、上記公式認定証の発送1週間前よりネット上で確認することができます。
オーストラリアでは、試験後、一週間程度でOfficial Score Certificate(公式認定証)が発行され、テストスコアを確認することができます。
採点方法は?
テスト結果は合格、不合格ではなく、10点から990点のスコアで表示されます。リスニング、リーディング各セクションを5点から495点で採点し、両セクションを合計した数がトータルスコアとして表示されます。
100問を約45分で解きます。
録音を聞きながら、問題を解き、マークシートに書き込みます。Part1からPart4に分かれています。すべての問題のアナウンスは一度しか流れません。
Part1 | 写真描写問題 6問 | 1枚の写真について、4つの短い説明文が流れます。その中から一番写真に近い説明が何番目かを解答する問題です。 |
Part2 | 応用問題 25問 | 質問または文章に対する3つの答えが流れます。最もふさわしい選択をする問題です。 |
Part3 | 会話問題 39問 | 2人または3人による会話が流れます。各会話の設問3つです。会話を聞いて、問題用紙に書かれた設問と解答を読み、4つの中から最も適切なものを選択する問題です。また、会話の中で聞いたことや問題用紙に印刷された図表等で見た、情報を関連づけて答える問題もあります。 |
Part4 | 説明文問題 30問 | ミニトークが流れます。各トークを聞いて問題用紙に印刷された設問と解答を読み、4つの中から最も適当なものを選択する問題です。また、トークの中で聞いたことや問題用紙に印刷された図表等で見た、情報を関連づけて答える問題もあります。 |
100問を75分で解きます。
Part5 | 単文穴埋め問題30問 | 穴埋め問題です。4つの答えの中から、最も適切な答えを選び、文章を完成させる問題です。 | |
Part6 | 長文穴埋め問題16問 | 長文の穴埋め問題です。各長文に設問は4問ずつあります。単語や句、一文など4つの答えの中から、最も適切な答えを選び、文章を完成させる問題です。 | |
Part7 | 読解問題 | 1つの文章 29問 | 様々な文章が書かれています。各文章には、設問が複数あり、設問を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選ぶ問題や、文章内に一文を挿入するのに最も適切な個所を選ぶ問題もあります。 |
複数の文章 25問 |
TOEICのスコアレベルは下記の表をご覧ください。スコアによって社会的評価は変わります。
スコア | どのような状態か | 社会的評価 |
~395点
<入門レベル> |
・英検4級~3級レベル
・単語、文法がわからないため、簡単な文章でもわからない ・英語でのコミュニケーションが難しい状態
|
|
400点〜495点
<初級レベル> |
・英検準2級レベル
・リスニングは雰囲気でなんとなくわかる ・単語、文法、語彙力は足りないが、相手にゆっくりと話してもらえれば、英語でのコミュニケーションができる。 ・初心者が目指したい点数 ・英語の標識や看板を見て理解できる。 |
新卒社員で期待する基準(500点以上)に近いレベル |
500点〜595点未満
<初級~中級レベル> |
・英検2級レベル
・就活者が目指したいレベル ・短く簡単な文章や会話のやりとりができる |
新卒社員で期待する基準(500点以上) |
600点〜695点未満
<中級レベル> |
・英検2級レベル
・海外旅行時に、買い物やレストランでの食事、道を尋ねるなど、日常会話ができる ・ビジネス関係のメモを理解することができる |
英語を使わない仕事なら、履歴書に書けるレベル |
700点〜795点未満
<中級・上級レベル> |
・英検準1級レベル
・ビジネス英語を習得する人 ・日常業務の説明を英語でできる ・会議の案内や社内文章を読んで、理解することがすることができる |
英語を使う仕事での履歴書に書けるレベル |
800点〜895点未満
<上級者レベル> |
・英検準1級レベル
・短文から長文のリスニングやリーディングの苦手意識がない ・ビジネスで英語を活用することができる。 ・意思疎通を図る上の英語づかいは問題がない。 ・日常会話もできコミュニケーションを円滑にできる。 |
昇級試験や、駐在員を希望するのに応募できるレベル |
900点以上
<スペシャリスト> |
・英検1級レベル
・日常会話からビジネスまで幅広い会話が可能です。ネイティブとの会話を楽しむことができる。 ・ディスカッションや専門紙の読解も可能。 |
いざTOEICを受講したいと思っても、何から手をつけたらいいかわからない、そんな人も多いはず。そんな人のために、勉強のヒントを紹介!
まずは試験内容の概要を把握しましょう。問題数や試験の構成を確認するのに有効なのは、やはり過去に出題された問題です。日本では、主催者が発行するものをはじめ、TOEICに関する書籍、単語帳、問題集が多く発売されています。それらをまずは購入し、テスト内容の構成や試験問題を確認しましょう。
書店やネットでは、カテゴリー別の学習書が販売されています。そのため、リスニングやリーディング、文法、単語など部分的に強化することが可能です。平日は部分強化、そして週末は模擬テストなど強弱をつけることで、バランスよく強化することができるでしょう。
TOEIC は全部で200問あります。短時間のうちにいかに問題を解けるかも重要となってきます。そのため、実際に過去問題を解き、傾向を習得することが大事です。はじめはわからなくとも、問題の解答説明を多く読むことで、傾向が掴めてきます。ポイントは解き方の理解をすることです。この時点では、時間を気にすることはありません。試験の内容と出題傾向を正確に把握しましょう。
TOEICの参考書には模擬試験がついているものも多く発売されています。模擬試験を実際にトライしてみましょう。ポイントは、できるだけ試験当日と同じ環境にすることです。開始時間や使用する筆記用具など合わせることで、試験時間を有効に使う方法を身に着けられます。イメージトレーニングをすることが大事です。何回も模擬試験を解き、どのパートに何分かかるのか、回答するタイミングまで把握できれば、自分自身の強化するべきところが見えてきます。
また、リスニングの勉強には、倍速機能が付いた機器を使うと効率よく勉強することができます。
TOEICのスコアアップのためのコースを設けている英語学校はたくさんあります。最後の追い込みとして学校に通うというのも一つの手です。