ケンブリッジ検定は1858年にイギリスの名門ケンブリッジ大学によって設立された英語検定試験で母国語を英語としない人を対象に英語の理解力だけでなく、実際に英語を使いこなす運用能力があるかどうかを判定するために作られました。
日本ではまだあまり知名度が高くありませんが、世界150ヵ国以上で実施されていて、日本でもケンブリッジ検定試験を受講することが出来ます。
「ケンブリッジ大学」は名門大学として名が知られていること、また、世界をリードするエキスパートによって研究され作られた試験のため、世界で最も信頼性が高い英語検定と言われています。
Reading(読む)Writing(書く) Speaking(話す)Listening(聞く)の4科目から構成されるケンブリッジ検定試験は総合的に英語力を精査し、実用的な英語力を証明する検定試験です。
ケンブリッジ検定の運営者は、ケンブリッジ大学英語検定機構(Cambridge English Language Asessment)です。ケンブリッジ大学の一部門であり、同検定の開発やアップデート、実施を担っています。
残念ながら、日本の「英検」や「TOEIC」等の点数は、日本を一歩出ると国外で通用する英語力証明になりません。海外の大学に進学したい、就職したい、永住権を申請時に自身の英語力を証明する為の公式資格がケンブリッジ検定です。
つまり、ご自身の英語力を証明する為の世界で1番信用度の高い英語検定試験ということになり、就職活動や海外での駐在などを将来的に検討されていらっしゃる方は是非取得しておくべき資格と言えるでしょう。
ケンブリッジのMain Suite(メインスイート)試験は総合的な英語力を測る試験内容となり、一般的に下記の5レベルから選択し受講します。
ケンブリッジ検定CPEは、一般人が受講できる英語試験の中では最難関の英語試験になり、結果はTOEICやIELTSの様に点数では発表されず、合格もしくは不合格で出ます。
ケンブリッジ検定メイン・スイート(KET・PET・FCE・CAE・CPE)の合格証明書は国際的に通用するだけでなく、生涯に渡って有効なので、一度取得しておけばIELTS検定試験やTOEICのように期限が切れることもありません。
試験名 | レベル | 英語力 |
CPE(Certificate of Proficiency in English | 最上級レベル | TOEICで約990点、TOEFLで約670点レベル。
イギリスの大学・大学院入学許可の基準となる最上級試験。ネイティブレベルの英語能力があるかどうかを測定する。アメリカやカナダ、オーストラリアなどの英語圏の大学で、入学時に求められている英語力の証明として採用、また世界各国の各機関で認められている。 |
CAE(Certificate in Advanced English) | 上級レベル | TOEICで約870点、TOEFLで約610点レベル。
イギリスの大学・大学院入学許可の英語証明書としても有効。仕事で英語を使用するプロフェッショナルな人もこのレベル。そのため、仕事で英語を使いこなせる英語能力があるかどうかを測定する。 英語圏の大学で、英語能力の証明として一番採用されているのがこの試験である。 |
FCE(First Certificate in English) | 中級レベル | TOEICで約760点、TOEFLで約550点レベル。
日常会話が英語の職場で働きたい人向け。また、留学を目指す人もこのレベル。 |
PET(Preliminary English Test) | 初級レベル | TOEICで約630点、TOEFLで約480点レベル。
英語圏で日常生活に困らない英語力があるかどうかを測定。高校、短大、大学生向け。 |
KET (Key English Test) | 基礎レベル | TOEICで約520点、TOEFLで約400点レベル。
日常で必要な基礎的な英語能力を測定。 |
俗に言う「英検」は日本英語検定協会が実施している「実用英語技能検定」の事を指し、日本で一番認知度が高く、かつ受験数も一番多く、年間約230万人もの人が受験しています。
5級(初級)、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級(上級)の7つのグレードがあります。「ヒアリング」「スピーキング(3級以上で実施)」「リーディング」「ライティング」の4つの技能を測定して合否判定をする試験です。
ケンブリッジ検定と日本の英検の大きな違いは、試験の結果を利用できる教育機関の数に圧倒的な差があり、ケンブリッジ検定試験が世界中の多くの教育機関で入学資格として取り入れています。
日本の大学や国際コースでも特定レベルのケンブリッジ検定が必須になる場合がありますが、英検が入学資格として必要になる場合はありません。
ケンブリッジ検定試験は世界130カ国、2,800の試験センターで受講することが出来ます。オーストラリア留学中でも、日本帰国後に日本で受験することも可能です。
更に、オーストラリアの語学学校の多くは「ケンブリッジ検定試験対策コース」を開講しており、10週間〜12週間のコースを受講し、コース終了時にケンブリッジ検定試験を受けるカリキュラムで構成されているので、ケンブリッジ検定の勉強を語学学校ですることにより目標レベルを達成しやすくなります。
ケンブリッジ検定試験コースを開講している語学学校一覧 >>
KET・PET・FCE・CAE・CPEと5つのレベルになりますが、初級PET〜中級FCEを受講される方が多いです。ご自身の英語レベルを知り、適正なレベルを受験するためにも事前にレベルチェックテストを試して適正レベルを確認しましょう。
Cambridge Assessment English 25問簡単 レベルチェックテスト >>
Cambridge Assessment English 公式サイトから試験会場を検索することが出来ます。(Cambridge assessment English 公式サイトへ >>)
続いて受講する州を選択します。
州を選択すると、「試験会場名」「センターナンバー」「地域」一覧が選出されます。
試験会場名をクリックすると、住所、問い合わせ先が記載されています。試験に関する疑問点や不明点などを問い合わせすることができます。
試験会場のタイプが「公開センター(オープン・センター)」と「非公開センター(インターナル・センター)」の2種類があります。
公開センターは、制限なく、すべての受験者に対する試験を受けることができるセンターで非公開センター(インターナル・センター)は、ケンブリッジ試験対策コースを語学学校で受講している生徒だけが受験できることができるセンターになります。生徒でない受験者は受けることができませんの要注意です。
試験結果を英国ビザの申請に使用したい場合は、ビザ及び入国申請のための英検「Secure English Language Tests (SELTs) 」の提供を許可されている試験センターで試験を受けなければなりません。上記のサイトから検索することができますので、該当者は注意しましょう。
Cambridge assessment English 公式サイトから会場を選択し、申し込み手続きをします。
インターネットによる申し込みと郵送での申し込みが可能になっており、インターネットの場合はオンライン決済でクレジットカードで試験費用を支払い、郵送の場合は、指定された口座に試験費用を振り込むか、郵便為替で郵送することができます。
オーストラリアでのケンブリッジ検定料
Main Suite | ||||
Proficiency(CPE) | Advanced(CAE) | First(FCE) | Preliminary(PET) | Key(KET) |
AU360ドル | AU350ドル | AU350ドル | AU330ドル | AU330ドル |
下記はメイン・スイートを表記しています。受験時間は試験レベルにより約1時間50分~6時間とまちまちです。各試験の時間目安を把握して、試験学習に取り組みましょう。
Proficiency(CPE) | Advanced(CAE) | First(FCE) | Preliminary(PET) | Key (KET) | |
リーディング | 1時間30分 | 1時間15分 | 1時間 | 1時間30分 | 1時間10分 |
ライティング | 2時間 | 1時間30分 | 1時間20分 | ||
リスニング | 40分 | 40分 | 40分 | 36分 | 30分 |
スピーキング | 19分 | 15分 | 14分 | 10分~12分 | 10分 |
イングリッシュ・イン・ユース | × | 1時間 | × | × | × |
ユース・オブ・イングリッシュ | 1時間半 | × | 45分 | × | × |
Total | 約6時間 | 4時間40分 | 約4時間 | 約2時間20分 | 1時間50分 |
オンラインのマイページ上で試験後、約1ヶ月~2ヵ月後に発表されます。証明書はさらに1ヵ月後に発行されます。
ケンブリッジ試験結果は、KETとPETでは「Pass with merit」「Pass、Narrow fail」「Fail」の3段階あり、「Pass with merit」「Pass、Narrow fail」が合格、そして「FCE」「CAE」「CPE」はA~Eの5段階あり、A、B、Cは合格、D、Eは不合格です。
それぞれ受験のレベルによって、問題も変わります。各試験について把握しましょう。
ジャンル | 時間 | 問題数 | 問題内容 | 求められるスキル |
リーディング | 1時間10分
|
56問 | 9つのパート
多肢選択式、短文の空所補充、文章読み取り、綴りの知識、テーマに沿って文章を書く等 |
実生活に困らない英語力か、文章を理解して、正しく並べられるか、ただしい会話ができるか、綴りは覚えているか、短い文章が書けるか等 |
ライティング | ||||
リスニング | 30分 | 25問 | 5つのパート
短めから長めまでの会話文を聞いて多肢選択式問題に答える、会話文で足りない単語を記入する |
会話から情報を聞き取れるか、重要な情報をメモして単語の綴りがあっているかどうか |
スピーキング | 10分 | 受験者により異なる | 質疑応答。受験者がペアになり会話をし、質疑応答をする。同席する試験管も会話には参加。カードも使用 | 自分に関する質問に答えられるか、情報を得るために質問ができるか |
ジャンル | 時間 | 問題数 | 問題内容 | 求められるスキル |
リーディング | 1時間30分
|
42問 | リーディングは5つのパート
多肢選択式、短文の空所補充、文章読み取り ライティングには3つのパート 書き換え問題、短文(45語程度)を書く、手紙もしくは物語を選択し(100語)書く
|
文章を理解して要点を読み取ることができるか、文法構造がわかっているか、文章が書けるか等 |
ライティング | ||||
リスニング | 36分 | 25問 | 4つのパート
短めから長めまでの会話文を聞いて多肢選択式問題、穴埋め問題、正誤問題に答える |
会話から情報を聞き取れるか、情報に対して判断できるか |
スピーキング | 10分~12分 | 受験者により異なる | 4つのパート
質疑応答。試験管と受験者同士で質疑応答する。試験管から出題された内容について解決法を答える、写真の内容について議論する。 |
自分に関する質問に答えられるか、状況を把握し、適切な答えがだせるか |
ジャンル | 時間 | 問題数 | 問題内容 | 求められるスキル |
リーディング& ユース・オブ・イングリッシュ | 1時間15分
|
52問 | 7つのパート
多肢選択式。 合計2200~2500文字程度の各文章を読み解き問題に答える。ジャンルは、小説やノンフェクション、新聞記事など |
文章を理解して要点を読み取ることができるか、文法構造がわかっているか |
ライティング | 1時間20分 | 2問 | 2つのパート
パート1は手紙やレポート、記事を140~190文字で書く パート2は5つの課題から一つを選び解答する。こちらも140~190文字で書く |
質問の意図を読み取り、正しい文章が書けるか |
リスニング | 40分 | 30問 | 複数人物の会話や講義内容、インタビュー、討論から出題される | 会話から情報を聞き取れるか、情報に対して判断できるか |
スピーキング | 14分 | 受験者により異なる | 質疑応答。試験管と受験者同士で質疑応答する。 | 状況を把握し、適切な答えがだせるか |
ジャンル | 時間 | 問題数 | 問題内容 | 求められるスキル |
リーディング& ユース・オブ・イングリッシュ | 1時間30分
|
56問 | 8つのパート
多肢選択式。 合計3000~3500文字程度の各文章を読み解き問題に答える。ジャンルは、新聞記事やノ雑誌、リーフレットなどから出題される |
文章を理解して要点を読み取ることができるか、文法構造がわかっているか |
ライティング | 1時間30分 | 2問 | 2つのパート
パート1は手紙やレポート、記事を140~190文字で書く パート2は5つの課題から一つを選び解答する。こちらも200~260文字で書く |
質問の意図を読み取り、正しい文章が書けるか |
リスニング | 30分 | 30問 | 多肢選択式や穴埋め式問題。ラジオ放送やアナウンス、インタビュー、討論から出題される | 会話から情報を聞き取れるか、情報に対して判断できるか |
スピーキング | 15分 | 受験者により異なる | 質疑応答。試験管2名と受験者同士で質疑応答する。交渉力をはじめとした、通訳などスピーキング力をテスト | 状況を把握し、適切な答えがだせるか
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試験は「リーディング&ライティング」「リスニング」「スピーキング」の3セクション4技能で行われます。ライティングとリスニング試験は記述式で、リスニングでは、流れた指示通りに絵を描いたり色を塗ったりする楽しいテストです。
スピーキング試験は他の試験と同様に、ケンブリッジ大学英語検定機構によって認定された試験管の対面試験になります。
実際のビジネスシーンで使われる英語のコミュニケーションを中心とした試験がでます。
「リーディング &ライティング」試験では選択式の問題になり、解答の正誤によって難易度が変化。時間は60分から85分間の試験となります。
「スピーキング」では、ヘッドセットのマイクを使います。インタビュー、音読、プレゼンテーション、グラフを使用したプレゼンテーション、ロールプレイの5つのパートがあり、時間は15分間です。「ライティング」は、2つのパートから構成され、Eメールやメッセージ、報告書や企画書の作成をタイピングで行います。時間は45分間です。
ここでは簡単に勉強方法のポイントだけ取り上げることにします。詳細についてはお問い合わせ下さい。
まずは試験内容の概要を把握しましょう。問題数や試験の構成を確認するのに有効なのは過去に出題された問題です。日本でも大型書店やネット等でケンブリッジ英検の過去問題集を入手できますので過去問や参考書を買って問題を実際に確認しましょう。
スピーキングとライティングは日本人にとって1番苦労する科目になる場合が多いです。英語を話す機会や書く機会が過去の生活で明らかに少ないため、スピーキングとライティングの2科目は相当準備時間が必要になります。
この2科目については自習で上達するのが困難になる科目ですので、語学学校でプロフェショナルから話し方、書き方を学ぶ必要があります。
ケンブリッジ検定の参考書には模擬試験が付いています。模擬試験だけ集めた参考書なども市販で販売されています。試験会場の環境に出来るだけ合わせて、開始時間や使用する鉛筆や消しゴムを使い試験時間を有効に使う方法を身に着けましょう。
オーストラリアでは「ケンブリッジ試験対策コース」が多くの私立語学学校で開講されていますので、10〜12週間のコースを受講し、コース終了時にケンブリッジ検定試験を受験しましょう。
オーストラリアのケンブリッジ検定コースの入学条件は英語力中級以上になっています。語学学校の一般英語コース「Upper Intermediateコース」「Advancedコース」を受講されている方であれば、ケンブリッジ試験対策コースの入学が可能です。
英語初心者の方で、オーストラリア留学の進路選択として「一般英語コース」で3〜6ヶ月就学して、その後専門コース(IELTS・ケンブリッジ・進学準備、ホスピタリティー)に進学していくプランが多いです。
一般英語コースで十分に基礎英語力を付けてから、目標資格や専門コースへの進学を目指すのは建設的です。
ご自身の英語力を世界に通じる国際スタンダード基準に沿って証明しなければならない機会は意外と多くなるかもしれません。残念ながら現状ではTOEICのスコアが高くても「英語を話せる、書ける」能力の証明にはなりませんし、海外に出るとTOEICは英語力を証明する資格として扱われていません。
話す・聞く・読む・書くの4つの科目で構成されているケンブリッジ検定試験を勉強すること自体が英語力を総合的に上げることに繋がるのです。
オーストラリア留学後に目に見える形として世界に通用するケンブリッジ検定を取得しておく事は、日本帰国後の就職活動やステップアップに繋がること間違いなしです。オーストラリア留学で貴重な資格を取得しましょう。