PTE Academicは、Pearson Test of English Academicの略称で2009年から始まった、まだ比較的新しい国際的な英語能力試験です。日本ではまだ認知度が低く、日本語版のテキストがほぼない状態で、学習する場合は海外の教材での使用が基本となります。
この試験は、英語を母国語としない人を対象にした試験で、海外の大学・大学院の入試試験のために作られました。試験では日常生活で使用する言語能力を測定します。
現在は徐々にですが、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、オセアニア、アジアでの大学、ビジネススクール等でのPTE Academicの認定が広がりつつある英語検定です。また、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドではVisa申請の英語能力試験として認定されています。
「スピーキング&ライティング」、「リーディング」、「リスニング」の3カテゴリー、4技能の試験です。4技能のほかにも文法や語彙力、スペルなどの6つの語学スキルも測定します。
ロングマン現代英英辞典、イギリスのニュースペーパー紙「フィナンシャル・タイムズ」などを傘下に置く、イギリス大手のメディア総合会社「ピアソン」が開発・運営しています。日本では、東京と大阪のテストセンターで受験が可能です。
申し込みはオンラインで行い、受験希望日の前日まで予約が可能です。
受けたことはなくとも、一度は学校の先生や友人から聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。TOEICとは「Test Of English International Communication」の略称です。日本では、年間10回の試験が実施され、2016 年度は217万人もの人が受験しています。日本でもっとも有名な英語検定のひとつです。
TOEICはビジネスにおいて、英語でのコミュニケーション能力を測定する試験になります。2016年8月に改定され、名称も「TOEIC Listening and Reading」に変わりました。日本では主に、英語を重視している外資系企業や大手企業の入社試験や昇級試験で、TOEICスコアが求められています。そのためビジネス英語を強化したい人向けと言えるでしょう。試験はマークテスト方式で「リスニング」と「リーディング」テストの2種類あり、2時間で行われます。「リスニングとリーディング」と「ライティングとスピーキング」が別となることも含め、英語圏では評価は低く、日本で英語を扱う場合には有効な資格だといえます。
一方のTOEFLとは、「Test Of English as a Foreign Language」の略称です。英語を母国語としない人達を対象にしています。TOEFLのスコアはPTAと同様に、英語を母国語とするエリアへの留学をする際に入学試験の基準となります。試験はTOIECと同様に、会場で試験を受けますが、iBT試験(Internet-based Test)を採用しています。そのため、全問題ヘットセットを装着して受験します。リスニング「リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング」、の4つに分かれ、試験時間は4時間から4時間半と長丁場です。スピーキングの試験はヘッドセットのマイクを使用して行います。
PTE Academicのメリットは、受けたいときにすぐに受けられる点でしょう。世界各地の200のテストセンターから選ぶことができ、年間360日以上受験日程が設けてあるのが特徴です。また、試験から5日後までにテスト結果を知ることができ、その中で良いスコアのみを教育機関に送ることができます。また、大学や専門学校など、いくつも受験する人にとって嬉しいシステムとして、決められた期限内であれば、何か所でも無料で希望する機関に送付が可能です。依頼してから48時間以内に指定機関にスコアレポートが届きます。また、コンピューターの採点なので審査官の傾向によるスコアの相違がおこらない、正確な採点が可能です。
試験問題は日常的で使用する英語をもとに作られているため、留学や仕事などを目的とした受験者の英語力UPにも役立ちます。
16歳以上の人(16歳・17歳は親権者の承諾が必要)で、母国語が英語以外の方です。
日本では東京・日比谷と大阪・梅田2か所に試験会場があります。
<東京会場>
PEARSON PROFESSIONAL CENTER 東京
〒100-0011 東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテルタワー18F
最寄り駅
地下鉄日比谷線・千代田線 日比谷駅
地下鉄銀座線 銀座駅
JR線 有楽町駅
<大阪会場>
PEARSON PROFESSIONAL CENTER 大阪
〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-8-17 大阪第一生命ビル12F
最寄り駅
地下鉄御堂筋線 梅田駅、地下鉄谷町線 東梅田駅、地下鉄四つ橋線 西梅田駅
阪急線 梅田駅
JR線 梅田駅、北新地駅
オーストラリアでは、アデレード、ブリスベン、キャンベラ、ゴールドコースト、メルボルン、パース、シドニーに会場があり、受験することが可能です。
世界で年間360日以上実施されています。前日までに登録をすれば受けられます。
日本・オーストラリアを含め全世界共通です。
申込みはすべて、ホームページから行います。
日本語ホームページはこちら:PTE Academic Online
<申込手順>
申込確認後支払いページがでてきます。
支払方法はクレジットカードかデビットカードのみです。決済が完了すると確認メールが届きます。受験日やテストセンターの場所、当日の注意事項など記載されていますので保存しておきましょう。
日本で受験する場合の受験料は、Standard Price が USD$220、
Late Booking Price が USD$275です。
オーストラリアで受験する場合の受験料は、Standard Price がAUD $330、
Late Booking Price -がAUD$412.50となります。
金額の違いは申込時期の違いです。
受験時間は最大で約3時間15分です。途中10分間の休憩があります。スピーキングとリーディングは77~93分間、ライティングは32~41分間、スピーキングは45~57分間で行われます。
受付時に、身分証明書を提示する必要があります。身分証明書には、氏名、署名、写真、生年月日が記載されているものである必要があり、パスポートが好ましいとされています。
5日後にホームページのマイアカウントで結果がわかります。
テスト結果は合格、不合格ではなく、10~90点のスコアで表記されます。
試験は3つのパートに分かれています。
パート | 内容 | 問題形式 | 時間 |
パート1 | スピーキング&ライティング | 音読
文の復唱 図の説明 講義内容の再説明 短文解答 書かれた文章の要約 英作文 |
77~93分 |
パート2 | リーディング | 多肢選択、単一解答
多肢選択、複数解答 段落の並べ替え リーディング:空所補充 リーディング&ライティング:空所補充 |
32~41分 |
パート3 | リスニング | スピーチの要約
多肢選択、複数解答 空所補充 正しい要約の選択 多肢選択、単一解答 欠けている語の選択 間違った語句の選択 ディクテーションの書き取り |
45~57分 |
※PTE Academic ホームページより参照
PTE Academicの特徴としてリスニング問題は、イギリス英語、アメリカ英語、オーストラリア英語など様々な英語が使用されますので、対策が必要です。また、スピーキングでは、ヘッドセットのマイクを使用して、3秒以内に解答する必要があります。録音は一度きりですので、落ち着いて取り掛かりましょう。ライティングでは、時間制限があり、時間内にタイピングする必要があります。4技能のほかにも文法や語彙力、流暢さなどの6つの語学スキルも測定します。
10~90の間で表示されるスコアですが、他の英語検定「IELTS」や「TOEFLiBT」と比較するとわかりやすいでしょう。下記はホームページ上http://www.pearsonpte.jp/institutions/scores/に掲載されているIELTSとTOFEL iBTとの比較表です。大学や大学院入試でスコアを使用する場合は、教育機関によって多少変わりますが、53点から70点が最低ラインとなります。また、PTEでは、詳細なスコアレポートが発行されます。
テストの結果の詳細です。2年間有効となり、有効期間中には無制限・無料でスコアレポートを各教育機関に郵送することができます。
スコアレポートに記載されているのは、総合スコアと「リスニング」、「リーディング」、「スピーキング」、「ライティング」の4つの技能スコアに加え、「文法力」、「英会話での流暢さ」、「発音」、「スペル」、「語彙力」、「文章の構成力」の6つ語学スキルも採点され記載されています。
いざ始めたいと思っても、何から手をつけたらいいかわからない、そんな人も多いはず。そんな人のために、勉強のヒントを紹介!
まずは試験内容の概要を把握しましょう。問題数や試験の構成を確認するのに有効なのは、やはり過去に出題された問題です。日本でも大型書店やネット等で数は少ないですが、PTEアカデミック公式問題集等購入することができます。
PTE Academic の概要や構成がわかったら、実際に過去問題を解いてみましょう。はじめはわからなくとも、問題の解答説明を多く読むことで、傾向が掴めてきます。ポイントは解き方の理解をすることです。この時点では、時間を気にすることはありません。試験の内容と出題傾向を正確に把握しましょう。
PTEアカデミックの参考書には模擬試験がついているものも多く発売されています。模擬試験を実際にトライしてみましょう。ポイントは、できるだけ試験当日と同じ環境にすることです。開始時間や使用する筆記用具など合わせることで、試験時間を有効に使う方法を身に着けられます。イメージトレーニングをすることが大事です。何回も模擬試験を解き、どのパートに何分かかるのか、回答するタイミングまで把握できれば、自分自身の強化するべきところが見えてきます。
IPTE Academic の運営会社では、オンライン上で受験対策ができるようなプログラムを用意しています。模擬試験「Online Scored Practice Test」を受けることも可能です。