オーストラリアでの調理師留学を考える際、現地でのお給料や必要な資格について気になりますよね。
本記事では、オーストラリアの調理師(クッカリー)としての給与や必要資格、また学校を卒業後に仕事に就くまでの流れなど、詳しく解説していきます。
オーストラリアでのクッカリー留学後のキャリアパスや生活設計の参考になれば幸いです。
オーストラリアで調理師はコック(cook)とシェフ(chef)の2種類があります。
最近は求人でも資格保有者に限定していたり、将来的に高いポジションを目指すためには、経験だけでなく資格が必要となる場合が多くなっています。
経験年数や働く場所によってもお給料は変わってきますが、一般的にはコックから始めて経験を積むとポジションが上がっていきます。
日本のシェフの平均年収が400万円程度に対して、シェフの需要が高いオーストラリアでは安定した収入が得られるのが魅力です。
ポジション | 月給 | 年収 |
---|---|---|
コック | $5,251 (約49万円) |
$63,020 (約580万円) |
コミシェフ (シェフ補助) |
$5,416 (約50万円) |
$65,000 (約600万円) |
ド・パルティ (ラインシェフ) |
$5,416 (約50万円) |
$65,000
(約600万円) |
シェフ | $5,833 (約54万円) |
$70,000 (約650万円) |
スーシェフ | $6,660 (約62万円) |
$79,922 (約740万円) |
ヘッドシェフ | $6,875 (約64万円) |
$82,500 (約770万円) |
エグゼクティブシェフ (シェフ・ド・キュイジーヌ) |
$ 8,333 (約77万円) |
$100,000 (約930万円) |
参照:
talennt.com「chef salary in Australia in 2024」
Indeeed.com「chef salary in Australia in 2024」
※ 1ドル=93円で計算
オーストラリアでは資格がなくてもコックとして働くことができますが、有資格者がシェフ以上のポジションになるのが一般的です。
基礎のCertificate Ⅲ in commercial cookeryを修了すると、コックやシェフ見習いとして働くことができます。
その次のレベルである、Certificate IV in Kitchen Managementを卒業すると、シェフ見習いから始めてシェフ以上のポジションに就くことが可能です。
DiplomaやAdvanced diploma of hospitalityは調理師としてのスキルには直接関わりはありませんが、接客業全般の知識をつけ最終的には管理者としてお店の責任者や経営に携わるためのスキルを身につけます。
そのため、キャリアアップと将来的な収入アップへとつながるため、留学生はDiolomaやAdvanced Diolomaまで修了する方が多いです。
業務用キッチンで働くための基本的なスキルと知識を身につけるコースです。
カリキュラムには、基本的な調理技術、食の安全と衛生管理、業務用キッチン機器の使用方法が含まれます。
就学期間 | 1年 |
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将来のポジション | コック |
必要な英語力 | IELTS 6.0 |
永住権の可能性 | 不可 |
Certificate 3で学んだ基礎をもとに、幅広い知識とスキルを身につけるコースです。
高度な調理技術やメニュー開発、食品の安全と衛生管理、在庫管理、原価計算、予算管理などが含まれます。
学校によってはCertificate 3がなく4から開始する学校もあり、その場合はCertificate 3の内容は学期の最初の方に含まれることが多いです。
調理初心者の方は難しく感じることもあるので、心配な方はCertificate3から始めると良いでしょう。
就学期間 | 半年から1年半 |
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将来のポジション | シェフ見習いやシェフ |
必要な英語力 | IELTS 6.0 |
永住権の可能性 | 不可 |
Diplomaで学ぶ内容は調理師としてのスキルとは直接関係しません。
このコースでは、経営管理の基礎、マーケティング戦略、予算編成と財務管理、スタッフの採用とトレーニング、労働法などを学びます。
また、レストランやホテルの運営に関する実践的な知識やスキル、リーダーシップやコミュニケーションスキルも強化し、チームの効率的な運営を目指します。
調理師コースを提供している多くの学校はCertificateとDiplomaまでセットで学生ビザを申請することができる様になっており、トータルで2年間のコースです。
就学期間 | 半年から1年 |
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将来のポジション | シェフやヘッドシェフ、マネージャー |
必要な英語力 | IELTS 6.0 |
永住権の可能性 | 可 |
Diplomaで学んだ知識をもとに、ホスピタリティ業界における上級管理職を目指すための高度なスキルと知識を学ぶコースです。
人材マネジメントや労働法、職場の安全と健康、企業倫理など法的および倫理的な側面も取り扱い、ホテル、リゾート、レストランなどの高レベルな管理職としてのキャリアを築くための準備をします。
学校によってはこのAdvaced Diplomaまで提供している学校もあり、よりホスピタリティ業界でのキャリアアップの選択肢を増やしたい方におすすめです。
就学期間 | 半年から1年 |
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将来のポジション | マネージャーなど責任者 |
必要な英語力 | IELTS 6.0 |
永住権の可能性 | 可 |
CertificateとDiploma以上のコースを合わせてトータル2年以上勉強すると卒業ビザの申請が可能です。
また、実習時間などの規定もありますので、オーストラリア政府から認定を受けた学校のコースを受ける必要があります。
Post-Vocational Education Work stream(専門学校卒業後に働けるビザ)を申請します。
このビザを所持していると、1年半制限なくオーストラリアで働くことができます。
ビザの条件にはSkill assessmentに合格、英語力の証明や年齢なども含まれており、条件は予告なく変更になることがあるので、移民局のサイトで最新の情報を確認しましょう。
卒業ビザの間に就職先を探して調理師としての経験を積みます。
就職先はレストランやカフェだけでなく、観光施設、学校や病院、イベントのケータリング会社など多岐にわたります。
また、調理師コースでは実習が多く含まれますので、成績優秀者は実習先から仕事のオファーをもらうことも多いです。
日本とオーストラリアでは調理師としての仕事内容に違いがあますので、以下の3点からその違いを解説します。
オーストラリアの職場は比較的リラックスした雰囲気があり、フレンドリーで協力的な環境が一般的で、スタッフ間のチームワークが重要視されます。
また、多様なバックグラウンドを持つスタッフが多く、異文化理解や多様性を受け入れることが大切です。
世界中から集まったスタッフと共に、異なる文化の料理や技術を学ぶ機会も多く、国際的な視野が広がるのもオーストラリアの労働環境の魅力といえます。
日本の調理人は時間外労働や長時間労働などを強いられることが多いですが、オーストラリアでは労働時間や休暇が法律で厳しく規定されています。
通常、週に38時間の労働が標準とされており、それを超える労働には追加報酬が支払われることが一般的です。
また、有給休暇が保障されており休暇取得が奨励されているため、有給休暇が溜まりすぎると職場から取得を促されることも少なくありません。
シェフとしての給料は日本よりも高く、特に経験豊富なシェフやマネージャー職に就くと高収入が期待できます。
福利厚生として、退職金制度や健康保険、育児休暇などが整備されており、安心して仕事ができる環境が整っているのも魅力の一つです。
調理師コースに入学するにはIELTS 6.0が必要となっています。
ただ、現時点で英語初心者の方や、入学に必要な英語力に届いていない方でも問題ありません。
調理師コースのある学校では英語コースも開講していることが多く、英語を勉強してから専門コースへ進まれる方が多くいらっしゃいます。
英語コースからパスウェイでIELTSのスコアなしに進学できる場合もありますので、まずはご相談ください。
オーストラリアは観光業が盛んな国であり、観光客向けのレストランやホテルが多数存在します。
また、観光客の増加に伴い、高品質な食事の提供が求められるため、シェフの需要は常に高いです。
その他にも、バー、カフェ、病院、リゾート施設など調理師の需要は高く、さまざまな就職の可能性があります。
ニューサウスウェールズ州の政府によって、1891年に設立された州立職業訓練専門学校です。
大学と比較しても劣らない施設完備や教員現場だけではなく経験豊かな講師が在中し、卒業後に即戦力となるような人材を育てる事を重視したプログラムを提供してます。
TAFE NSW | https://ryugaku-au.net/school/tafe-nsw/ |
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コース名 | Diploma of Hospitality Management (Certificate Ⅲ in commercial cookeryを含む) |
就学期間 | 2年間 |
入学時期 | 2月、7月 |
費用 | $35,180(約351万円) |
入学に必要な英語力 | IELTS 6.0 |
学校公式ページ | Diploma of Hospitality Management |
ブリスベンを中心にQLD州全域に多くのキャンパスを持つ学校です。
500を超えるコースを提供しており、最新の機器が揃った設備で実践的なトレーニングを行うことができます。
TAFE QLD | https://ryugaku-au.net/school/tafe-qld/ |
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コース名 | Certificate IV in Kitchen Management / Diploma of Hospitality Management |
就学期間 | 2年間 |
入学時期 | 1月、7月 |
費用 | $34,600(約346万円) |
入学に必要な英語力 | IELTS 6.0 |
学校公式ページ | Certificate IV in Kitchen Management / Diploma of Hospitality Management |
日本人が少なく自然豊かなパースを中心に複数のキャンパスを持っています。
他の大都市に比べると留学生の数も少ないことから、留学生へのサポートや奨学金制度など、留学生を受け入れる環境が整っているのが魅力です。
TAFE WA | https://ryugaku-au.net/school/tafe-wa/ |
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コース名 | Hospitality Management Package (Certificate Ⅲ in commercial cookery + Certificate IV in Kitchen Management + Diploma of Hospitality Management) |
就学期間 | 2年間 |
入学時期 | 2月、7月 |
費用 | $32,080(約320万円) |
入学に必要な英語力 | IELTS 6.0 |
学校公式ページ | Certificate Ⅲ in commercial cookery Certificate IV in Kitchen Management Diploma of Hospitality Management |
※ キャンパスによってコース期間や料金に違いがありますので、詳細はお問い合わせください。
TAFE WA奨学金制度についてはTAFE WA BURSARY 2025をご確認ください。
TAFEについては、こちらのページでまとめているので、TAFEについて詳しく知りたい方は、こちらのページでをご覧ください!
調理師は大学よりも安い学費で資格が取得でき、卒業生ビザの申請も可能なことから、留学生に人気の職業となっています。
また、お給料面や就職先の多さ、オーストラリアの職場環境の良さなども魅力です。
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