オーストラリアで保育士の資格を取って働いてみたいと思っている方にとって、異国の地で新しいキャリアをスタートすることは、いろいろな疑問や不安もありますよね。
その中でも特に気になるのは「お給料」と「職場環境」ではないでしょうか?
この記事では、オーストラリアの保育士の給与、働きやすさ、保育士の資格などについて、日本の状況と比較しながら詳しく解説していきます。
オーストラリアでチャイルドケアの仕事に興味がある方に、少しでも参考になれば幸いです。
オーストラリアのチャイルドケア(保育士)の給料は、ルームリーダーの場合$4,687なので、日本円で約48万円です!※1ドル103円計算
保育士といっても職種は異なりますが、1週間フルタイムとして38時間働いた場合の給料と年収はこちらになります。
職種 | 最低時給 | 月給 | 年収 |
---|---|---|---|
アシスタントカジュアル (保育補助 or 保育士) |
$28.89 | $2,715 | $32,000 |
エデュケーター (保育士) |
$26.18 | $3,979 | $60,000-65,000 |
ルームリーダー (担任) |
$30.84 | $4,687 | $70,000-80,000 |
参考:Children’s services Award [MA000120] Pay Guide、Fair Work Ombudsman (Published 06 February 2024)
参考:Indeed
※ カジュアルは学生として働ける週24時間として算出
日本の保育士の平均年収は、厚生労働省が発表した「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、平均月収は31.8万です。
オーストラリアでは雇用形態、経験数、役職、地域などによって最低賃金に違いはありますが、日本よりも給与水準は高いのが魅力です。
カジュアルワーカーは正社員が足りない施設や、病欠などで急遽スタッフが必要となった際に助っ人要員で、曜日や働ける時間が安定しない代わりに、正社員やパートタイムよりも時給が25%高くなっています。
また、このポジションは保育士コースにコースに通う学生が多く、学校に通いながらカジュアルワーカーとして働き経験を積んでいくことが可能です。
一般的に留学生はレストランや清掃員のアルバイトをする方が多いですが、その場合の最低時給が$23.23(2024年7月から24.10)ですので、保育補助として働くほうがより高い収入を得ることができます。
国で定められた最低時給は新人(1年目)から毎年上がっていきますし、施設によっては最低時給よりも高い給与を出しているところも多くあるのも魅力です。
オーストラリアでは同じ職種(役職)でも資格の有無により、最低時給が異なります。
職種 | 最低時給 |
---|---|
エデュケーター :Certificate資格保持 | $26.18 |
エデュケーター:Diploma資格保持 | $29.48 |
ルームリーダー:Certificate資格保持 | $27.94 |
ルームリーダー:Diploma資格保持 | $30.84 |
アシスタントディレクター:Diploma資格保持 | $32.35 |
参考:Children’s services Award [MA000120] Pay Guide、Fair Work Ombudsman (Published 06 February 2024)
上記の表を見て分かるように、同じ役職であってもよりレベルの高い資格を持っている方が高い時給からスタートすることが可能です。
また、高いレベルの資格を持っている方が、将来的にリーダーや管理職などの責任のある仕事に就く可能性が高く、給与アップにもつながります。
お給料の面から見ても、保育士としてキャリアを築く場合は、Dioloma以上の資格を目指すのがおすすめです。
オーストラリアの保育士資格には、以下の3種類があり日本のような国家試験はありません。
日本で保育士の資格をお持ちの方は、過去の経験、学歴、職歴などにより、コースの単位免除を受けられる場合があります。
ただし、日本とオーストラリアでは必須科目が大きく違うため、免除対象にならないことがほとんどですので、オーストラリアで保育士を目指される方は専門学校に通い資格を取得しましょう。
オーストラリアの資格制度における幼児教育とケアの分野での資格で、幼児教育や保育に関連する基本的なスキルや知識を学ぶコースです。
就学期間 | 1年間(実習最短120時間) |
---|---|
年齢 | 0-5歳 |
費用 | $8,000-10,000 |
将来のキャリア | チャイルドケアセンターでのアシスタントや保育士 |
入学に必要な英語力 | IELTS 6.0(各スコア5.5以上) |
永住権の可能性 | あり(限定的) |
Certificate3はあくまで基礎を学ぶコースですので、この資格だけでは就職先も少ない状況です。
そのため、オーストラリアでの就職や永住まで見据える場合は、Certificateよりも上の資格取得をおすすめします。
より高度な中級レベルの資格であり、幼児の発達や教育に関する深い理解を求められます。
Certificateでの基礎的な知識を基に実践的なスキルを習得し、プログラムの設計やリーダーシップ能力も育成されます。
就学期間 | 1年間(最短280時間) |
---|---|
年齢 | 0-5歳 |
費用 | $8,000-10,000 |
将来のキャリア | チャイルドケアセンターでの保育士、グループリーダー |
入学に必要な英語力 | IELTS 6.0(各スコア5.5以上) |
永住権の可能性 | あり(選択肢は少ない) |
Diplomaまで取得すると、グループリーダーとしてのポジションにつくことも可能となるため、永住権の可能性が見えてきます。
しかしながら、永住権の選択肢が少なく、地方で働きながら経験を積んでスポンサーを探していくという長い道のりです。
高度で詳細な学問的理解と実践的スキルを習得するための学位で、この学位を取得することで、専門的な知識と能力が求められる幼児教諭として働くことができます。
Diploma資格で永住権を目指すのが難しい場合には、学士を取得し永住権への選択肢を増やすという方法がおすすめです。
就学期間 | 3年半〜4年間 |
---|---|
年齢 | 0-8歳 |
費用 | $33,000-42,000/年間 |
将来のキャリア | チャイルドケアセンターのマネージャーや幼児教師 |
入学に必要な英語力 | IELTS 7.5 |
永住権の可能性 | あり(選択肢が多い) |
チャイルドケアのDilomaを所持している場合、1年間程度の授業が免除になり編入する形を取ることが可能ですが、大学により審査が異なります。
高い英語力と費用はかかってしまいますが、永住権を目指すにはDiploma資格よりもより確実な方法といえるでしょう。
Diploma修了後に大学進学をした場合は、2年間の卒業ビザ申請が可能となり保育士や幼児教諭としての職歴をより積むことが可能となります。
オーストラリアで保育留学できる、チャイルドケアコースのある学校などについてご紹介しているので、合わせてご覧ください。
日本とオーストラリアでは仕事の内容や環境にも違いがあり、それがオーストラリアでの働きやすさにもつながっています。
保育士一人当たりが担当できる子供の数の上限を、日本とオーストラリアで比べてみましょう。
子供の年齢 | 日本 | オーストラリア |
---|---|---|
0歳児 | 3人 | 4人 |
1-2歳児 | 6人 | 5人(VICは4人) |
3歳児 | 15人 | 10-11人 |
4-5歳児以上 | 25人 | 10-11人 |
日本では2024年に保育士の配置基準に変更があり、上記の人数は変更(少なくなった)あとの人数ですが、それでもオーストラリアに比べると、保育士の負担が大きいのがわかります。
オーストラリアの保育士は担当する子供の人数が少ない分、子供一人ひとり割く時間も多くなり、個々の興味やニーズに基づいて適切なケアを行うことが可能です。
また、オーストラリアの保育園では基本的に残業や仕事を持ち帰ることがないのも魅力の一つです。
多くの保育施設では、パートタイムやフレックスタイムなど、働き方の柔軟性を提供しており、保育士が仕事と私生活を両立しやすい環境を整えています 。
また、有給休暇や、育児休暇、病気休暇などの制度が整っており、職員が必要なときに休みを取ることができ、職員の生活の質を向上させるためのサポートが充実しているのも魅力です。
保育士が休んだ日は、代わりに出勤する保育士(カジュアルワーカー)がいるシステムが充実しているので、人数が足りないから休めないという状況はほとんどありません。
オーストラリアの保育士は、他の多くの国と比べて比較的高い給与を受け取ることができます。
また、多くの保育施設では、保育士がスキルを向上させるための研修プログラムや資格取得の支援を行っており、保育士は常に最新の知識と技術の習得が可能です。
そのため、チームリーダーや管理職へのキャリアアップの機会も多く、より高い給与を目指すことができます。
保育士は、子供一人ひとりの興味のあることや特性に合わせて関わり方を変えていきますので、子供たちは自分のペースで学ぶことが可能です。
さらに、保育士は子供たちの良い行動を認め、褒めるなど、ポジティブな行動支援を通して、その子の得意なことを伸ばしていくことを大切にしています。
結論から申し上げると、英語力が全くない場合はすぐに保育士として働くのは難しいです。
なぜなら、保育士とは子供の命を預かる職業ですし、子供やその親、同僚とのコミュニケーションが取れないと仕事として成立しません。
まず、保育士コースを開講している学校に入るのにIELTS 6.0が必要となりますので、保育士として働く留学生は最低限このレベルの英語力は身につけています。
しかし、現時点で英語力に自信がなくても保育士の道を諦める必要はありません。
多くのチャイルドケアコースを提供している学校は、語学学校も併設していますので、語学コースから勉強しチャイルドケアコースへの入学を目指すことが可能です。
ほとんどの日本人留学生は、初めに半年から1年程度語学学校に通い、英語のレベルを上げてから専門学校に入学しています。
オーストラリアで保育士の資格を取得し、永住権を目指すことは可能ですが、簡単な道のりではありません。
永住権を狙う方法は、取得している資格によって異なります。
それぞれの詳しい永住権を目指す方法はこちらでまとめているので、永住権についても気になっている方は、合わせてご覧ください。
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実際にオーストラリアで保育士として働く際に必要な書類は、以下の5点となります。
Working with Children Checkはクーンズランドではブルーカードと呼ばれており、未成年と関わる仕事をする際に必要となる証明書です。
この証明書は在学中にチャイルドケア施設へ実習に行く際に必要となりますので、学校から取得方法について説明があります。
また、無犯罪歴証明書は連邦警察の公式サイトから取得可能となっています。
その他、通常の仕事と同様に、タックスファイルナンバーや給与を受け取る際に必要となる銀行口座も必要となります。
オーストラリアで保育士になるための、学費目安はこちらです。
2024年の学校提示価格となっています。
留学費用の相場はこちらで詳しく紹介しているので、合わせてご覧ください。
オーストラリアで保育士の給料や仕事内容など、日本との違いについてお伝えしました。
オーストラリアの保育士は、比較的高い給与と充実した職場環境が特徴で、資格や経験を積むことでさらにキャリアアップの機会が広がります。
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