タックスリターン(Tax Return)とは、所得税の確定申告のことを指しています。Returnとついているので、税金が戻ってくると捉えがちですが、Returnは「申告」という意味なので、Tax Returnの意味は、所得税の申告、確定申告ということになります。
ワーキングホリデーの方や留学生はアルバイトや仕事で給与を得ると、基本的には給与から所得税を差し引いた金額(源泉徴収された金額)が手取りの金額になります。
雇用主から受け取る「PAYG Payment Summary」という書類に給与の総額と源泉徴収された税金の金額が記載されているので、この書類を元にタックスリターンを行います。ここで基準よりも源泉徴収された金額が多ければ、返還してもらい、基準よりも少ない場合は追加で納付する必要があります。
ワーキングホリデーの方や留学生はアルバイトなどをして収入を得ていれば、ほとんどの場合タックスリターンの対象者になります。
税率・タックスリターンの条件は税務上の区分が居住者(Resident)もしくは非居住者(Non-resident)かによって変わってきます。非居住者の場合でもワーキングホリデービザでの滞在者かどうかで異なる税率になります。
ワーキングホリデービザ滞在者の場合は、非居住者扱いになり、年間の所得が1ドル以上あった場合は対象者です。所得税率はワーキングホリデー専用の税率表が適用されます。
オーストラリアの会計年度は、7月1日から翌年6月30日までになります。タックスリターンは、7月1日から10月31日までの間に前年度の分を提出します。
タックスリターンはATO(Australian Taxation Office:税務署)に提出します。
※就労を開始するときに取得するTFN(Tax File Number:納税者番号)は、ATOのWEBサイトからオンライン上で取得することができます。
Australian Taxation Office:https://www.ato.gov.au/
オーストラリアの会計年度は、7月1日から翌年6月30日までとなっており、会計年度に働いた勤務先全てからPAYG Payment Summaryという書類を受領します。タックスリターンはこの書類を元に行うので必ず必要です。
※法律上では7月14日までに発行しなければならないことになっているので、もし勤務先からこの日を過ぎても書類を受領していない場合は、雇用主に問い合わせてください。内容に不備がある場合も雇用主に訂正してもらうようにしましょう。
仕事に関する支出がある場合は、領収書・レシートは保管しておくようにしましょう。支出内容は細かく業種によって定められているため、確実でない場合は登録税理士に相談するのが安全でしょう。
銀行の利息など、他に申告が必要な収入がある場合、それに関連している書類が必要です。
タックスリターンの申請方法は三つあります。
安心してスピードと正確さを求めるならオーストラリアの税理士に相談・依頼するのが良いでしょう。費用は比較的高くなってしまいますが、全て税理士に任せることができるので安心です。
ATOが提供しているe-tax(納税ソフト)を利用して手続きを行います。給与所得以外に経費の差し引きなどがある場合には不向きです。
タックスリターンの提出時期になると、ショッピングセンターやコミュニティセンターに臨時の申請用ブースが設置されるので、自ら記入して申請します。ニュースエージェンシーでは、TAXPACKという申告書を入手することができます。
2、3のように、ある程度英語ができる方は(2は給与所得のみの場合)自分でタックスリターンの申請をすることも可能ですが、税法は複雑で間違いも起こりやすいため、オーストラリアの登録税理士に依頼するのが最も安全と言えるでしょう。
タックスリターンの手続き完了後は、2~4週間ほどでNotice Of Assessmentという受理通知が送付され、同時期に還付がある場合には指定の銀行口座に振り込まれます。逆に、追加徴収がある場合はNotice Of Assessmentが請求書の役割を兼ねているので、指示通りに支払いを済ませましょう。また、Notice Of Assessmentは本人確認にも使用できる書類なのでちゃんと保管しておきましょう。
確定申告の内容に問題があった場合は、オーストラリアの国税局は過去4年間遡って是正勧告することができるので、申告時に使用した書類等は4年間は保管しておきましょう。