オーストラリアは美食の国として知られ、多くの料理愛好家やプロのシェフが集まる魅力的な場所です。
留学生にとって、オーストラリアで調理師としてキャリアを築くためにはどのようなステップが必要なのでしょうか?
本記事では、オーストラリアで調理師を目指すための具体的な方法、必要な資格、そして気になる給料について詳しく解説します。
調理師留学をご検討中の方の参考になれば幸いです。
調理師留学とはオーストラリアで調理師として働くために、専門学校に通い調理師資格の取得を目的とする留学です。
オーストラリアで調理師はコック(cook)とシェフ(chef)の2種類があります。
cook:シェフが作ったレシピや食事プランに従います。調理師は、調理、キッチンの清掃、事前に決められたリストに従った食材の買い物、上司の指示によるその他の作業など、他の業務も行うことがあります。
chef:訓練を受けた調理の専門家で、レシピの作成やプレゼンテーションなど、料理の準備の創造的な側面を理解するための教育と実践的な経験が必要です。オーストラリアでは資格を持った人がシェフとなるのが一般的です。
調理師留学では、将来的にシェフのポジションを目指して調理の基礎から、レシピの作成、プレゼンテーションの仕方など調理全般に関わる知識とスキルを身につけます。
オーストラリアは観光業が盛んな国であり、観光客向けのレストランやホテルが多数存在します。
また、観光客の増加に伴い、高品質な食事の提供が求められるため、シェフの需要は常に高いです。
地元の人々も外食を楽しむ文化があり、日常的にレストランやカフェが利用されており、シェフは安定した職業とされています。
オーストラリア政府が管理しているJob and skills Australiaからの発表でもシェフが不足していると述べられています。
オーストラリアで調理師になるための資格は以下の3種類です。
Certificate 3からCertificate 4、そしてDiplomaへと難易度が上がっていきます。
資格がなくても働けますが、採用時に免許が必須の職場や求人も増えています。
そのため、調理師を目指す留学生はDiplomaまで取得するのが一般的です。
基本的な調理技術、食品衛生、メニュー作成、キッチン管理などを学習。
具体的には、さまざまな調理方法、ソースやスープの作り方、肉や魚の調理技術を実践練習を通して習得します。
コックはシェフの指示のもと料理を作り、初心者はまずコックからスタートすることが一般的です。
働けるポジション | コック |
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年収平均 |
$63,007(約630万円)
|
資格取得の難易度 | 初級 |
入学に必要な英語力 | IELTS 5.5〜6.0 |
※ 1ドル100円で算出
上級の調理技術、キッチン運営、メニュー開発、コスト管理、食品安全、チーム管理、リーダーシップスキルを学習。
調理場のリーダーとして必要な実践力と管理能力を養います。
コックとして働き経験を積んだのちにシェフのポジションに就くことが可能です。
働けるポジション | コックやシェフ |
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年収平均 | $69,137(約690万円) |
資格取得の難易度 | 中級 |
入学に必要な英語力 | IELTS 5.5〜6.0 |
※ 1ドル100円で算出
ホスピタリティ業界全般にわたる管理スキルを学習。
具体的には、運営管理、マーケティング、財務管理、人材管理、サービス提供、イベント企画、法規制遵守、リーダーシップスキルなどをカバーします。
実際のホスピタリティ環境での実務訓練を通じて、現場での対応力を養い、ホテル、レストラン、イベント会場などでの管理職としてのキャリアを目指すことが可能です。
働けるポジション | シェフやマネージャー |
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年収平均 | $76,250(約762万円) |
資格取得の難易度 | 中級から上級 |
入学に必要な英語力 | IELTS 6.0 |
※ 1ドル100円で算出
Diplomaで学んだ知識をもとに、ホスピタリティ業界における上級管理職を目指すための高度なスキルと知識を学ぶコースです。
人材マネジメントや労働法、職場の安全と健康、企業倫理など法的および倫理的な側面も取り扱い、ホテル、リゾート、レストランなどの高レベルな管理職としてのキャリアを築くための準備をします。
学校によってはこのAdvaced Diplomaまで提供している学校もあり、よりホスピタリティ業界でのキャリアアップの選択肢を増やしたい方におすすめです。
働けるポジション | ヘッドシェフや管理者 |
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年収平均 | $82,500(約825万円) |
資格取得の難易度 | 上級 |
入学に必要な英語力 | IELTS 6.0 |
※ 1ドル100円で算出
専門学校の調理師コースに入学するためには、IELTS 6.0相当の英語力が必要です。
オーストラリアの専門学校は語学学校を併設していることが多いので、初めに英語コースに通い英語力を上げてから、パスウェイでIELTSの結果なしに専門コースへ進学することが可能です。
IELTSのスコアを自力で上げるには時間とお金がかかるので、その分を語学学校に通って効率的に勉強するのがおすすめです。
オーストラリアの大手求人情報サイトTalent.comによると、調理師でもポジションによってお給料に大きな差があります。
ポジション | 月収 | 年収 |
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コック | $5,250 (約52万円) |
$63,007 (約630万円) |
シェフ | $5,761 (約57万円) |
$69,137 (約690万円) |
マネージャー | $6,354 (約63万円) |
$76,250 (約762万円) |
※ 1ドル100円で算出
調理師には資格がなくてもなれますが、シェフやマネージャーなど責任のあるポジションは資格保有者が就くことが一般的です。
調理師を目指す場合は、将来的なキャリアやお給料面から見てもDiplomaの資格を取得しましょう。
州政府が運営するTAFE(職業訓練学校)の調理師コースには、調理実習やTAFEが実際に運営するレストランでの実践訓練が多く含まれています。
オーストラリア政府が運営しているため、教育の質が高く、スキルをしっかりと身につけて実践的な経験を積みたい方には、TAFEが最適です。
クーンズランド州内の60ヶ所にキャンパスを構え、500を超えるコースを提供しています。
メインキャンパスはブリスベンシティから徒歩圏内で、クイーンズランドの温暖な気候と最先端の設備を備えた学習環境は留学生からも人気です。
TAFE QLD | https://ryugaku-au.net/school/tafe-qld/ |
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コース名 | Certificate IV in Kitchen Management / Diploma of Hospitality Management |
就学期間 | 2年間 |
費用 | $34,600(約346万円) |
入学に必要な英語力 | IELTS 6.0 |
学校公式ページ | Certificate IV in Kitchen Management / Diploma of Hospitality Management |
オーストラリア最大の職業訓練学校で、シドニー市内と郊外にキャンパスを持っています。
実践的なスキルと理論を融合した多様なコースを提供し、最新設備と産業連携により高い就職率を誇る人気校です。
TAFE NSW | https://ryugaku-au.net/school/tafe-nsw/ |
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コース名 | Diploma of Hospitality Management (Certificate Ⅲ in commercial cookeryを含む) |
就学期間 | 2年間 |
費用 | $35,180(約351万円) |
入学に必要な英語力 | IELTS 6.0 |
学校公式ページ | Diploma of Hospitality Management |
「世界で最も住みやすい都市ランキング」常連であるメルボルンにメインキャンパスがあります。
飲食業、接客・サービス業、旅行業界など、ホスピタリティー・ツーリズム分野に強く、オーストラリア内でも高評価を誇る学校です。
William Angliss Institute TAFE | https://ryugaku-au.net/school/william-angliss-tafe/ |
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コース名 | Diploma of Hospitality Management (Certificate Ⅲ in commercial cookery+Certificate IV in Kitchen Managementを含む) |
就学期間 | 2年間 |
費用 | $40,450(約400万円) |
入学に必要な英語力 | IELTS 6.0 |
学校公式ページ | https://www.angliss.edu.au/ |
オーストラリアの南オーストラリア州に複数のキャンパスを構えており、メインキャンパスはアデレードシティにあります。
卒業生の満足度89%以上と高い評価を得ており、世界中から留学生が集まっている国際色豊かな学校です。
TAFE SA | https://www.tafesa.edu.au/international |
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コース名 | Diploma of Hospitality Management (Certificate Ⅲ in commercial cookery+Certificate IV in Kitchen Managementを含む) |
就学期間 | 2年間 |
費用 | $33,000(330万円) |
入学に必要な英語力 | IELTS 6.0 |
学校公式ページ | Certificate Ⅲ in commercial cookery Certificate IV in Kitchen Management Diploma of Hospitality Management |
パースを中心に西オーストラリア州に多くのキャンパスを持ち、留学生向けの奨学金や学生サポートが充実しています。
オーストラリアの3分の1の面積を持つ西オーストラリア州の多様な都市の特色を活かしたコース内容、最新設備の整った施設、そして業界経験豊富な講師陣が魅力です。
TAFE WA | https://ryugaku-au.net/school/tafe-wa/ |
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コース名 | Certificate Ⅲ in commercial cookery Certificate IV in Kitchen Management Diploma of Hospitality Management |
就学期間 | 2年間 |
費用 | $40,100(約400万円) |
入学に必要な英語力 | IELTS 6.0 |
学校公式ページ | Certificate Ⅲ in commercial cookery Certificate IV in Kitchen Management Diploma of Hospitality Management |
※ TAFE SAでは奨学金(5,000ドル)を給付しています。
キャンパスによって対象となるコースが異なりますので、詳細はこちらからご確認ください。>>TAFE WA 奨学金情報
調理師はオーストラリアで不足しているSkilled occupation listに含まれてまれており、卒業ビザや就労ビザの取得、その後の永住権取得も目指すことができます。
調理師コースは高い学費の大学に通わなくても、専門学校の単位で永住権を目指せる数少ないプログラムの一つです。
ただし、調理師で永住権を目指すにはシェフになる必要がありますので、Diploma資格を保有している必要があります。
永住権には多くの種類がありそれぞれの条件も異なりますが、可能なオプションを紹介します。
永住権申請が可能な職業リストや条件は変更になる場合がありますので、移民局のサイトで最新情報を確認し移民弁護士とも相談しながら計画的にすすめていきましょう。